コラム 四季の移ろいを体感できる幸せ

四季の移ろいを体感できる幸せ

夏暑く、冬は底冷えの寒さに震えあがるとの指摘を受ける盆地の京都。

世界に名だたる観光都市京都は、捉えようでは住みづらい街でもあります。

今、そんな京都も祇園祭の鉾巡行が終わり、16日に行われる五山の送り火を

終えると夏も終わりに近づきます。朝、犬の散歩途中で聞いたひぐらしや

ツクツクボウシの鳴き声がそれを証明してくれています。

そう、もうすぐ錦秋の秋。街全体が紅葉に染まり素晴らしい景観が広がってきます。

紅葉が終わるころには初雪も期待できるかもしれません。

そして、日本全国の京都ファンが待ち望む年末の行事。知恩院の鐘を筆頭に

市内全域に除夜の鐘の音が響き渡ります。八坂神社におけら参りに出かける人。

1月1日にはお隣の平安神宮にもたくさんの初もうで参拝の人たちが訪れます。

白みそに丸餅、といった京都独自のお雑煮に芋棒など京のおせちが用意されます。

寒さを忘れてしまうほどの喜びがどの家庭にも訪れます。

そして、3月に入れば桜のつぼみが膨らみ、一気に満開の季節となります。

家の近所の琵琶湖疎水には桜見物の屋形船が往来します。

疎水に散って浮かぶ桜の花びらは何ものにも代えがたい魅力です。

こうして京都には四季折々の違った姿があり、美しさが用意されています。

こんな環境に住む幸せは、沖縄では感じ取れなかった、たまらない魅力です。

季節の移ろいに身をゆだねる幸せ、豊かさに浸っています。

このように書いてきて、気づいたことがあります。

これって人生そのものだということ。つらく耐えがたい日々の後に訪れる

束の間の休息と安らぎ。

さらに厳しい環境を乗り越えた時に出会える温かな日々と満足感。

人生ってしんどいことだけではない、しんどさの先に希望に満ちた日が訪れる。

ひとつぶの種に通う人たちはみんなそう思っているはず!