コラム 聞くは一時の恥

【聞くは一時の恥】

組織に身を置き、仕事を始めたころは誰もが分からないことだらけ。

業界の専門用語や組織独自の言い回しなど、素人に近い新人にはちんぷんかんぷん。

外国語のように聞こえてもおかしくありません。

一方で、社歴が長くなると、自身が新人時代のころ不明であった用語や言い回しが

理解できるようになり、いつの間に普通に使いまわせるようになってゆきます。

昔の日本企業の多くは定年まで働く、いわゆる終身雇用が普通でしたから、新人は

多少分からないことがあっても先輩の導きで時間をかけて学ぶことができました。

しかし、バブルが崩壊し企業自身がゆとりを失い全員が即戦力としての働きを

期待されてくると、状況は一変します。時間をかけてゆっくり学べばよいなんて

悠長なことは言っておられません。こうしたときに悩むのはわからないまま放置

されて新人たちです。「わからないんだけど聞いてよいのか迷う!」とか「勇気を

押して質問したら、この間教えたろう!何度言ったらわかるんだ!」としかられて

しまい、質問や相談が怖くなってしまうことって、皆さん思い当たる経験をお持ち

でしょう。

知らないまま、自分だけの判断で仕事に向き合い間違った判断と実行をしてしまう。

この行為が組織にとって最も危険なことです。長年積み上げて信用を、一つの過ちで

すべて失わせてしまう深刻な事態にも陥りかねません。

私自身の経験も含めての助言が、冒頭に書いた【聞くは一時の恥】という言葉です。

同じことを繰り返し聞けば、先輩から「前に教えただろう!」とのお叱りを受けるかも

しれませんが、わからないことはわからないのです。恥を押してでも教えを乞うことは

組織に身を置く者として守らなければならない異本姿勢です。

先輩や上司の方にもお願いいたします。新人や後輩が聞いてきたら、煩わしいなと思わず

*教え方が足りなかったかな?

*もう少し、具体的な指示が必要だったんだな

と、後輩の悩みに向き合っていただきたいのです。

新人時代には許されるこうした「恥を押して指導を仰ぐ」ことは後年になると

許されませんから。

追伸:先輩や上司の皆さんへのお願い

 【えっ、こんなことも知らないの‼】は禁句です。