コラム 自分にとっての正解を大切にする

自分にとっての正解を大切にする  

コロナの蔓延が始まる前は、毎年のようにドイツに出かけたものでした。

ドイツはEU圏域の中核に位置する国で、ヨーロッパ大陸は隣国と地続きで

あることから様々な国の人が住み、言葉も生活習慣も異なる人たちが街を

構成しています。当然、時には住民同士の諍いや議論が起こります。

一旦議論が始まるとお互い一歩も引きません。延々議論は続きます。

そして最後は【君はそう考えるんだね。僕の考えとは全く違うね!】で

終わります。合意ではなく違うことを認めあい終了するのです。

翻って我が国。

会社でも地域でも人が複数集まり、何か決め事をするとなると多くの場合

その場にいる人は他人の意見を待ちます。あるいは様子を伺います。

そして会社であれば上位管理者が、地域でいえばリーダー格の人が発する

方向なり考え方に暗黙的に同意し、その場は収まります。

(私はちょっと違うんだけど?)と思っている人もなかなか口に出せません。

その言葉に上位者が反応する【マウンティング!】を恐れるからです。

我が国は言語が一つで、狭い地域の中に長い間生活を営んで来た経験から

無用ないさかいを避ける習慣が自然に身についてきています。一見穏やかで

まとまりのある集団に見えて、心の内は何か違うと感じながら。

同調圧力。この言葉が一般に使われるようになってきたのは最近のこと

ですが、その言葉が示す状況は、ずう~っと長い間我々の生活にしみこんで

いました。一見すごく穏やかで謙虚で、譲り合いの心が備わっていると、美化

されてきたわが国のこの考え方・行動パターン。そろそろ変えてゆかないと

我が国はさらに世界から遅れをとってゆきます。ガラパゴスと揶揄されるより,

【私はこう思います。このようにしたいです!】とはっきり主張したいもの。

勇気あるこの一人の行動が時代を変え、地域社会を前に進めてくれます。

だって、その言葉は自分の本心から出たものなのだから!


MAKOTO