“あきらめる”という勇気

10数年前研修でお世話になった、農家の経営者の言葉を思いだします。

ミカン農家さんでしたが『秦さん、私たちプロは絶対良いものを創る自信は

あるけど、あきらめも良いのです!』と。意味が理解できない私への答えは

『例えばね、今年は豊作。やったぁ!と期待していたら収穫1週間前に台風が

やってきてOUT。あぁあ来年また頑張ろう!って気持ちを切り替えたら

翌年は春先気温が低く思うように育たない。またかぁと諦める』

こんなお話でした。専業農家さんであれば経験と知恵は豊富。

そんなプロでも自然には逆らえないのですね。

翻って私自身、過去の自分に置き換えたとき

*簡単にあきらめるんじゃないよ!

*まだ、やれることあるだろう!

*途中で投げ出すんじゃないよ!

などなど、こうした言葉を平気で発信していたことを恥じます。

上司がとるべき態度は叱責ではなく、どうすればうまくゆくかを伝えることなのですね。

自分にない答えを部下に強いる。部下にすれば耐えられないことです。

世の中、努力しても叶わないことはあります。

叶わないことがあることを自覚することです。

農家の方のこの言葉は重い響きがあります。

お読みになった皆さんいかがでしたか。時にあきらめる勇気も必要です。

                                  まこと